プーシャン家の日常

つぼマニア兼脉オタクと、医学史中心中国学マニアの生活感なさすぎな日々

趣味の話 その11

2016.02.02 12:19:59


実際はすごくすごく小さいのだが、「ヒラカメガイ」の貝殻。鳥羽水族館オンラインショップより購入。
「流氷の妖精」クリオネの和名は「ハダカカメガイ」。 養老孟司氏のエッセイを読んでいて「トゲナシトゲトゲ」という虫やら「トゲアリトゲナシトゲトゲ」という虫やらがいるのは知っており、「ハダカ」でない、つまり殻をもった「カメガイ」がいてもいいはずだと頭のどこかでは思っていたのだが、クリオネを見ても、突っ込んで調べてみることはないまま、ここまで来ていた。
ヒラカメガイ、思ったよりはかなすぎて、ケースから出せない。同オンラインショップでは小さな標本は樹脂で固めて販売しているが、これもそうしていただきたいぐらいである。
 
上はホタルガイの仲間。右側は「タケノコホタル」である。これらは「貝殻ストア」(龍工芸)さんより購入。実店舗は沖縄にあるらしい。

貝については、「趣味の話その9」に記したとおり、「あっキレイ」「あっカワイイ」で購入しているので、収集家でもマニアでもないことは自覚している。だが、趣味(というか、褒めていえば美意識)が偏狭なので、なんだか同じような貝殻ばかりが、結果的に集まっている。数でいうと「ホタルガイ」「マクラガイ」「フデガイ」が三大派閥で、次点として「ショクコウラ」、さらに「イモガイ」「シャジクガイ」「イタヤガイ」の類というぐあいである。だが…くりかえすが、収集家でもマニアでもないので、それらの類であっても、「あっキレイ」「あっカワイイ」というほどではない貝については、その購入を見送っていた。購入以前に予算があることはいうまでもない。

今年の正月、ふと、何かの専門家になりたくなった。本来、海に出かけて自ら貝を探すのが本筋とはわかっているが、それはいろいろな余裕ができた時の楽しみとして、現時点でも何か一つは筋を通したい。貝殻も高価なものは高いが、それらの購入もいろいろな余裕ができた時の楽しみとして、とりあえずは手に入る限りの「ある種の」それらを並べて比較してみたい。
選択の余地はなかった…趣味の偏狭さは、ミッシングピースの少ない種類を自ら指さしていた。

森有正が、一人一人の人生はさまざまで、多方面に才のある人もいれば(ここの文については記憶がないので、そんな意味だったようなという程度で記している。以下はそれよりもう少し原文に近いはず)「一つのリンゴをめぐって人生を終わるひともあろう」というようなことを書いていた。自分の人生は「一つのリンゴタイプ」なような気がすると、10代の私は思ったものだった。

竹脇無我の主演したTVドラマ「清水の次郎長」(1971年)で、子供のいないことを気に病む妻のお蝶に、「むかしあるところに、次郎長とお蝶という夫婦がいました。二人には子供がいませんでしたが、仲よく幸せに暮らしました、それでいいじゃないか」と次郎長がさとすシーンがあった。小学生の私に、なんだかそれが強く印象に残った。

偏狭な人生を、哀れ(「あはれ」ではなく)とぞ見るひともおられよう(実はそういう言い方をされることがたまにある)が、本人はイソップの「田舎のネズミ」よろしく、麦の茎や根などかじりながらそれに滋味を見出し、「それでいいじゃないか」と思っているふしがないわけではない、のである。〔文責・きか〕

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菊花先生
お寒うございます 昨夕の帰り(北向)の自転車は結構でした 貴著 霊枢を毎日勉強させていただき学問の深さに低頭 一途な生き方
大好きです 貝集め 良い息抜き 是非お続けけください 暖が待たれます

傘ニ爺 2016/02/11(Thu)07:45:13 編集

無題

傘二爺様
コメント有難うございます。二月を「光の春」というそうで、明るい季節になってきました。
季節の変わり目、ご自愛くださいますよう。

urayamake 2016/02/14(Sun)09:15:22 編集

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