プーシャン家の日常

つぼマニア兼脉オタクと、医学史中心中国学マニアの生活感なさすぎな日々

プーシャン家の水無月祓えと、その水無月と その2

2024.07.13 18:03:18

(その3と4が先にアップされていますが、こちらが順序としては先です)
記録を見ると、6月4日に入院、私は5日は病院に行かず、6日に髭剃りと着替えを届けている。9日に、CAPDと「つなぐ」の使い方のレクチャーを、患者と家族が一緒に受けたほうがよいとのことで病院にゆき、5日ぶりに、顔を見た。これまでは入院のたびに痩せていたが、今回はそれほどでもなかった。食事も完食できていると聞いており、なんとなく安心。レクチャーを終えたところでバスの便が30分以上なく、撮ったのがシロツメクサの写真というわけだ。

電話で連絡をとりあううち、院内にいる側から、下界に、処置や退院後の生活など、種々の情報がもたらされるようになった。実際は、一つ空き部屋が必要になるレベルらしい、となり、私は、困った。プーシャン家は本に埋もれている。どこの本をどう積み替えても、内容物がこのままであれば、空き部屋などできはしない。治療院開院当時、患者さんが来なくて月末の支払いをどうしようかと眠れなくなった時以来の、眠れない夜をすごした。明け方になって、もっとも書架の少ない寝室をできるだけカラにするのがもっとも合理的であろうと思いついた。そこにある書籍を移動すればよい。売れるものは売り、寄贈できるものは寄贈し、残したいものは一時的にトランクルームを借りよう。トランクルームは、もっともプーシャン家から近い位置(私の徒歩で6分半)のそれに決め、運送屋さんを依頼し、段ボール30箱を発注。これがシロツメクサから2日後までのこと。

その後は術後と帰宅後を見据えて、必要なものを発注したりして過ぎた。一つ、気持ちを明るくする話題があった。循環器内科の医師に「奇跡的」と言われたことがあったという。これまでの薬の処方だと、血栓ができてそれが飛び、落ちたところが悪かったとすると、最悪の事態が起こり得たが、それが起きなかったのが「奇跡的」なのだという。そこで新たな薬が加えられたが、こちら両名は、お灸を含めた「物理療法」のおかげではないかと思った。ただ、それは、証明できない。証明できない以上、言えない。無駄ではなかったのだな、と、ひそかに思うだけだ。

6月14日金曜、手術の日。朝から病院に詰めた。予定より早く病院に到着し、病棟に向かうと、点滴をしながら手術室に向かう患者と、エレベーター前で、偶然、会うことができた。エレベーター前に「ディルーム」という場所があり、飲み物の自動販売機はあり、入退院の手続きなどをするために病院スタッフと患者と家族が話し合ったりしていて、なんだかいつも賑わっている(という感じ)のだが、そこで待機。一時間ほどで手術は終了。説明を聞くのに時間がかかったが、まあ順調なのかもしれない、と、いう印象。上は帰りのバスを待つ間の一枚。その後数日は、検査などで過ぎたもようであること、ほぼ逐一、メールか電話で連絡を受けていた。

ここまでほぼ一気に書いているが、もう少し落ち着いたらもっとちゃんと書けるのだと思う。

15年前に「ネット上にあることは、一般論か自分以外の方の各論かであり、自分のことは書いていない」と、当時は存在していた、とある鍼灸メルマガに書いた。おそらくだが、CAPDとAPDでは、基本原理は同じかもしれないが、迎え撃つ家族の側としては、いろいろと違うところがある。経験者のブログもそれほどは役には立たない。必要なのは機材の正確な大きさと、各自の生活様式と環境のすりあわせだ。毎回機材をセットするか、固定するかも、それぞれの患者の生活のありようによって異なるだろう。プーシャン家は、半固定(掃除のとき動かせるレベルの固定)を選択し、耐荷重100kgの踏み台を複数並べて、「かぐや」をセット。いくらか患者の身体より低いほうが機材の動きがよい、ということだったので、10センチほど低くなる高さのそれをネットで見つけた。低い位置に「かぐや」を置くためには、それまでフトンを敷いて寝ていた方は、低くてもベッドを導入したほうがよいのだとは思う。

そうこうするうち、プチ引っ越しの日が近づいてきて、段ボールを組み立て、30箱あまりの書籍が移動することになった。6月25日、朝9時。このプチ引っ越しに関わってくださった業者の方々がとてもよい方々で、一畳ほどの狭いトランクルームに理想的に32箱とカラーボックス2箱が積みあがった。

段ボールにつきものなのはガムテープ。この色を行き先や用途ごとに変えておくと、ざっくりなところで役に立つ。黄色は下積み禁とか、ピンクは手前とか。はじめ色の異なるシールでも貼ろうかと思っていたが、ガムテープの色を変えてしまえばよくないかと気づいた。底をとめるときも、フタをとめるときも、長めに十字に貼れば、積み込む向きも考えなくてよい。細かい置き場を段ボールに記すのはかまわないが、ざっくり仕分けした後の話であろう。最初から細かく分けると、これまでの経験では、うまくいかないことがあった。

この原稿が、この一件で不義理やご迷惑をかけた方々、お世話になった方々のお目に触れることがあったら、どなたにも深謝申し上げたい。〔文責・きか〕

(まだ続きます)

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