譚先生の古典鍼灸入門
12月20日発刊予定、『譚先生の鍼灸古典入門』(静風社)。上記写真、グレーの縁は写真の背景が映ってしまったものです。
鈴木達也先生との共訳です。鈴木先生については、以前、ご高訳『経絡病候の鍼灸治療』(東洋学術出版社)の書評を、久嗣・きかの連名で「鍼灸OSAKA」136号に書かせて頂いています。
『譚先生の鍼灸古典入門』作成にあたっては、中医部分(本文)を鈴木先生が、古典部分を浦山がというような、単純な分業でできたものではありません。
ただし、注釈部分は浦山に全面的に責任があります。この注釈部分を煩瑣と思われる方も多々おられるであろうと思いはしましたが、譚先生の中国文化全体への造詣の深さを活かしたかったためです。背景に大きな文化を背負っていながら、それをかるがると使いこなし、代々中医の家の10代目として鍼灸を施しているようすを伝えたくもありました。そういえば、WFASで働いていたころのスローガンは、「鍼灸を世界に奉仕させよう」でした。文化と切り離して中医鍼灸のみを記すのは、いわば文化の断章取義(中国学者としてはこの四文字は完全なマイナス評価に値します)だと思ったためでもあります。また、孔穴名などについては、浦山久嗣に確認をとって進めました。
言い回しや文体など、編集がゆずらなかったために反映されなかった部分もあり、訳者としての不満がないわけではありませんが、内容は譚先生が主催していた学びの場そのままです。お手にとっていただければ幸甚です。〔文責・きか〕